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……いない!……いない!……いない!
「くそっ、どんだけ速いんだよ」
ピンポンパンポン
『迷子のお呼びだしを申し上げます。』
なんだ??
『空峰雪那様、空峰雪那様、保護者の川崎明様がお待ちです。1階の迷子センターまでおこしください』
……………
ヤロー、この忙しい時に………
なんの腹いせだよ。
そんな放送を無視して、俺は妹達をさがす。
おもちゃ屋、服屋、色々さがすがやはり見つからない。
「仕方ねぇ、アキにも頼むか……」
俺は迷子センターに向かう。
自分で言っててなんだが超恥ずかしい。
「アキ~ちょっと手伝って……」
「おぉ~ユキ兄」
妹は何食わぬ顔でクレープを食べていた。
「お、お前ら………」
「諭吉はどこだ??」
「諭吉はもう……」
ナツキはどこか哀しい目をする。
その目やめて!!
俺はその場でしゃがみ込む。
「はい」
1つの袋を渡された俺は3人をみる。
「えっ??」
「プレゼント」
「プレ……」
何でか知らないがどこか泣きそうになった。
「ありがとう。開けてもいいか??」
「うん」
「うん」
「うん」
袋を開けると黒いマフラーが入っていた。
「お揃いだよ~」
よく見ると3人も同じマフラーをしていた。
「ありがとうな、………して、諭吉のお釣りは??」
「ないよ」
「ないよ」
「ないよ」
なぜに??
そんなに高いのか、このマフラー??
「他に何か買ったのか??」
「そのうちわかるよ」
「ね~」
「ね~」
「ね~」
嬉しかったけど、お前らに罪悪感はないのか??
まぁ、たまにはこういう事もいいかな??
俺が出来るのってこれぐらいだし……
「で、福引きはどうなんだ??」
「4回分だって~」
結構出来るんだな。
まぁ、1人1回か……
でも4回じゃ何にも当たらないだろうな……
「よぉ~し、いくよ~」
妹達はそそくさと福引きの方に歩き出した。
「んじゃ、ありがとうな、アキ」
「じゃあな」
アキとわかれ、妹達を追い掛ける。
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