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旅館の中のお土産コーナーを回ったり、ベンチでくつろいだりしながら学校の話なんかをしていると外から妹達が帰ってきた。
「あっ、ユキ兄、チトセ~」
上着を着てマフラーをしているとはいえ、3人とも雪まみれで寒そうだ。
「フフッ、子供達は元気でいいわね~」
「だからおばちゃんかよ!!」
もうチトセは主婦だな。
……まぁ、多分周りから見れば俺もそうなんだろうな……
「よし、風邪ひくといけねぇし、風呂でもいくか!!」
「……ユキ兄………変態……」
「私達もいい歳なんだし……」
「………………警察へ」
「ちょ、誰が一緒にって言った!!」
「い、一緒に???」
「やっぱり警察へ」
「ハメんじゃねぇ!!じゃ、さっきの変態扱いは何に対するだよ??」
「別に!」
「別に!」
「別に!」
くそ、完全に遊ばれてるな。
ひとを変態扱いしやがって キャハキャハ 笑ってやがる。
その言葉に一番過敏な年頃だぞ?
「はいはい、あんまりユキをいじめないの!」
おぉ、我が救いの女神チトセ様。
さすが、この年頃の気持ちをわかってくださる。
「風邪ひくといけないなら、お風呂行くわよ」
「はーい」
「はーい」
「はーい」
「ユキもちゃんと男風呂にいくのよ!」
テメェ!!!
妹達はさっさと部屋に戻って着替えを取り、大浴場まで走って行った。
チトセはというと傷ついた俺の心を励ましながら俺と タラタラ と大浴場の方へ向かった。
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