第2話 我が逃走っ!

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幸運にも、今日は学校は昼までだった。 仕方ないのでつれてってやることに…… 現在の時刻は14:30。 ゆっくり買い物出来る時間だ。 俺としても可愛い妹達と一緒に過ごすのも嫌いではない。 「そう言えば、ナツキとチアキは何で昼までなんだ??」 「小学校は学校が始まっても3日ぐらいは昼までなんだよ」 「へぇ~、カナは??お前は中学生だろ」 「私の中学、今日職員会議なんだって……」 なんという偶然。 デパートに行かなかったらバチが当たりそうだ。 「千歳誘うか??」 「おねぇちゃん今日用事あるって言ってた」 「そっか」 そうこうしているうちに、駅前についた。 中に入ると、3人はキラキラした目でコチラを見ている。 ……そう、我が家の妹達がデパートに来ると必ずこれがある。 俺はカバンから財布を取り出し、妹達に1000円ずつ渡す。 「あんま、無駄遣いするんじゃねぇぞ」 「はーい」 「はーい」 「はーい」 「必ず3人で行動すること。1時間したらこの場所に戻ってくること」 「はーい」 「はーい」 「はーい」 3人は元気よく返事をして、人混みの中に消えて行った。 まぁ、中学生のカナがいるし、大丈夫だろう。 毎回、少し不安になるが、子供達にとっては、遊園地の様なリゾート・パークなのだ。たいていデパートの中のケーキ屋やクレープ屋でおいしいものを食べている。 俺はいつもその間にお店を周り、必要なものを探している。 「さてっ、と」 俺の掘り出し物がないか、お店を周るため、地図を見る。 最初に目に入ったのは、不覚にも食品コーナーだった。 普通の男子高校生なら、服やアクセサリーショップに目が行くだろう。 「我ながらオバサンだな、見よこの素晴らしきポイントカードの数」 意味のわからない事を言いながら、財布の中身を確認する。 手持ち33000円で妹達に3000円渡したから……… …………………!!!!!!!!! 財布の中身は21000円。 家を出る前に確認したが 諭吉が3枚、英世が3枚。 だが今は、諭吉が2枚、英世が1枚。 「………まさか!!」 俺は急いで妹達を追い掛ける。
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