ジレンマ

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雨だからか、日曜だからか、店内はガラガラで、女は十人くらい余っていただろうか。 端に一組。 俺が案内された席の前に一組。 色んな女が入れ替わり立ち替わりついたが、たわいもない話をしながら、俺は目の前の席の女が気になって仕方なかった。 特別きれいなわけじゃない。 顔立ちは幼く、上の中ってところだ。 キャバ嬢にはめずらしく、真っ黒な髪を綺麗に巻いて、真っ白な肌にピンクのドレスがよく似合っていた。自分の見せ方をよくわかっているなと思った。 見せ方がわかっているところで、俺は銀座や六本木の素材が決定的に美しい女だって腐るほど見ている。 ただどうしても、気になって仕方なかった。
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