キラキラヒカル

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キラキラヒカル

キラキラ光物が好き。 コレクションはたくさん持っている。 ビー玉、おはじき、ビンのフタ、もっといっぱいあるよ。 貰ってきた宝はいっぱい。見てると嬉しい気持ちになる。 もうすぐクリスマス。 たくさんの光が街で溢れて色とりどりで綺麗なんだ。 苦手な光物もある。 電気だ。だって眩しいだもん。 街をピカピカにして凄いけど、目が潰れちゃう。 だけど嫌いじゃないよ。 僕もキラキラにしてくれるからね! ちょっとキラキラすぎて変な色になっちゃうけどさ。 だから色んな光り物があって楽しい。 キラキラ。 でも僕じゃ手に入らないキラキラがあるんだ。 見渡すとちらほらいる。 横を通っていく。あ、また目の前を過ぎ去っていく。 僕が手に入れたいなって思っているものキラキラは。 今目の前を通る女の子達の目なんだ。 ただ、女の子の目が欲しいわけじゃないよ。 数人しか見かけないんだけど、キラキラした目をしてる子達が綺麗で。 たまに男の子でもいるけど。 いいなー、羨ましい。 だから僕は一度貰おうと傍に寄った。 怖がられて、暴られて、叩かれたからもう近寄らない。 怖いから。 そんな中、公園のベンチでキラキラを持っている暗い子がいた。 あんなにキラキラを持ってるのに暗い。 キラキラしてるのに暗いのはなんでだろうと僕は気になる。 怖いけど…気になる。だってせっかくのものが! ソッと少女に近付いた。 「……ひゃっ!?な、なに?!」 傍に近付いたら女の子が驚いた。 驚かせるような事したかなと僕は首を傾げる。 「何、あんた私が怖くないの?」 怖いよ。いつ打たれるかわからないから。 それよりヒカル綺麗なのが暗くなる方が哀しいよ。 女の子を覗き込み再び首を傾げた。 他の人とは違って女の子は僕を叩く事も追い払う事もしない。 僕に向けていた目を前にし溜息をついた。 あ、またキラキラが鈍くなった。 どうしたの?そんなに綺麗なの持っているのに暗くするの。 ピョンピョンと飛んで女の子を呼んだ。 「なんなのアンタ。私の近くにいても何もあげないわよ」 キラキラが貰えるなら僕はとっても喜ぶよ。 でもそれよりもキミがキラキラを鈍くするから嫌なんだよ! またピョンと飛んで首を傾げた。 「…変な奴。普通なら怖がって逃げるのに…変わってるね」 そんな事ないと思うんだけど。 何度目かの首を傾げると女の子はクスリと笑った。 一度僕の方に向いたら、今度は上を向いた。
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