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「私のひとりごと。…私さ、伝えられない想いがあるの」
伝えればいいじゃん。
「伝えたいよ…でも伝えられないの。……怖くて、無理」
キミにも怖いものはあるんだ。
「…アンタなら伝えたい想い、伝えられる?」
女の子は僕の方に向き首を傾げた。僕も一緒に首を傾げる。
むずかしい事はよくわからないけど、その想いのせいでキラキラが鈍くなるんだ。
元気だして!キラキラはココロがぽっかぽかにするよ!
勇気だして!キミにはそんなにも綺麗なもの持っているんだから!
ピョンピョンとその場を飛び跳ねる。
女の子を元気出せようとまるで踊ってるかのように。
驚いたような顔をした後、女の子は声を出して笑い出した。
「あはは!まるでアンタ私の事わかってるみたいだね」
想いはわからないけど元気にはなってほしいよ。
「ありがとう、少し元気でたかも」
本当!?
「……頑張って想いを伝えようかな…」
女の子はベンチから立ち上がり先程の暗い顔から少しばかり晴れたような顔をする。
その姿に僕は嬉しくなり
「カァー!」
「わっ!びっくりした…何、私に喝でもいれたのかな?」
「カァー!」
「フフッ、ありがとうカラスさん」
女の子はしゃがみこんでベンチにいる僕の高さまでに目を合わせる。
間近で見たキラキラした目はやっぱり綺麗。
微笑を浮べた女の子の次の言葉に僕は驚いた。
「アンタの目、キラキラしてて綺麗ね!」
カラスを近くで見ることなんてそうそうないから知らなかったけど…と呟いて立ち上がり背伸びをする。
そして「バイバイ!」と手を振って女の子は公園の出入り口に向っていた。
女の子のキラキラが見れて僕はとっても嬉しい。
でもそれよりも、キラキラよりも嬉しかったこと。
僕もみんなと同じキラキラを持っていること。
僕は真っ黒だから…。
キラキラのヒカリものじゃなくても今日はココロがぽっかぽかする。
みんなとおそろい!
僕はただ真っ黒じゃないんだ!
嬉しい気持ちのまま僕を再び空へと羽ばたいた。
キラキラはたくさんある!
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