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バ・ゼ港…
様々な交易品が行き交う世界有数の港町。
「流石に賑やかだね‼」
「なんたって世界一だもんね‼」
村しか知らなかった2人はただただ見回すばかり。
バ・ゼ国のあるボド大陸は世界の北東に位置し、西側に「ミャク大陸」が
ボド大陸を囲む形で横たわる。
最果ては更にその遥か南に存在する…
2人はまずミャク大陸に渡らなければならなかった。
波止場に着くと沢山の船…
ミャク大陸の玄関「グスク国」行きの船の切符を買い、所定の船に2人は乗り込んだ。
「ここからは僕らの旅だね…」
「うん…」
碇が上がる音。
船が港を離れて行く。
出航してどの位経っただろうか…
船の個室…
ロイは落ち着かなかった。
サシャが急に腕を引く。
「ねえ‼甲板に出て見よ‼」
「お…おい…うわあ‼」
サシャにぐいぐいと連れて行かれる。
「うわあ‼潮風気持ちいい‼「ロイ‼夕焼け綺麗だよ‼」
「あ…ああ…うん」
見事な夕日が2人を真っ赤に染める。
ぼーっと海を見つめるロイの脇腹に、ドーンと肘鉄が入る。
思い切り横倒しになったロイをサシャが見下ろして言う。
「しっかりしてよぉ‼そんなんじゃ途中でやられちゃうぞ‼聖剣があんたを認めたのは、その器を持ってる証だと思う‼胸張りなさいよ‼」
ぷくーとロイを見つめるサシャ。
「そうだな‼全ての答えは、旅の中にあるんだよな‼」
今は考える時ではなく、進む時である。
そう心に決めたロイは立ち上がり
改めて美しい夕暮れを堪能した。
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