旅立ち

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しかし眠ってすぐ とてつもない衝撃と乗客達の悲鳴に叩き起こされた。 「何だあ⁉」 「ロイ‼私達も‼」 2人は素早く身支度し廊下に飛び出す。逃げ惑う乗客達。 何とか艦板に出た2人はすぐに事態を把握した。 髑髏の印の真っ黒な帆を開いた船が大砲をこちらに向けている。海賊船だ。 大砲から第二弾が放たれる。 「加護の指輪よ‼力を呼び覚ませ‼」 サシャが指輪に魔力を込めると船は巨大なバリアに包まれた。大砲の弾は弾かれバリアは消えた。 「やったね‼」 しかし海賊もすぐには引き下がらない。 船をこちらに向け、 全速力で向かってくる。 「うそ~、しつこい‼」 サシャはもう一度指輪に魔力を。しかし指輪は崩れ去った。 「い、1回ぃ~‼なんでぇ‼普通3回は使えるはずなのに‼」 海賊船が激突、船は航行不能となってしまった。 「いっけぇ‼」 「うおああー‼」 手下達が乗り込んで来る。しかし… 「ぐはぁ‼」 「ぬおぉ‼」 手下達は皆弾き飛ばされた。 「奥義、疾風剣‼」 ロイは大きく弧を描く太刀筋で「かまいたち」を生み、海賊達を吹き飛ばした‼ 「ここでストップだ‼」 ロイの疾風剣が唸る。 渾身の一刀はなんと海賊船のマストを切り落とした。 「え、う…うそ」 余りの威力にロイ自身も驚いた。 「僅かだが我が力なり…」 ティーダが呟いた。 その時、海賊船から声が響いた。 「そこの坊や…あたしらに喧嘩売ったからには、ただじゃ済まさないよ‼」 手下達を制し、1人乗り込んで来た船長とおぼしき人物… ロイ達は目を凝らした。 「この船やるにはあんたが先だね…」 「女の人…」 「あたしはライカ… 船の落とし前、着けさせてもらう‼」 女性相手…ロイは戸惑いながらも剣を構える。
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