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ライカの計らいで船は無事動きだし、
翌朝グスクに着いた。
港には無数の軍艦が並び、人でごった返している。
「うわあ‼軍艦‼初めて見るよ‼」
ロイは歓喜の声をあげた。
出店が立ち並び、お祭り騒ぎ。
「ちょっと…押さないで…ロイ‼どこ‼」
小さいサシャは人混みに埋もれていた。
「サシャ‼こっち。ゴメンゴメン…。」
ロイは慌ててサシャの手を引いた。
「人混み大っ嫌い‼」
どうやら今日は世界屈指の強さを誇るグスク海軍のパレードらしい。
突然人集りが2つに割れていき、出来た道の向こうから何者かがやって来る。
グスク王の御一行だ。
騎士達を従え、玉の輿に乗り、すぐ脇には最近突然現れ、神の声を王に伝えるという巫女を連れている。
「あれが噂の巫女さんね…予言も全部ドンピシャだとか…」
サシャは食い入るように見ている。
ちょうど王が目の前に来たとき、巫女がこちらを凝視し突然取り乱した。
「ぎゃああー‼王よ‼あの者達はこの国に災いをもたらす死に神の遣いじゃ‼ひっ捕らえて処刑するのじゃ‼」
同時にティーダが鈍く輝く。
「………あの者‼」
王は取り乱し叫ぶ。
「何‼誠か‼奴らを捕らえよ‼」
騎士達が襲いかかる。
「ロイ、サシャ、目を閉じよ‼」
ティーダが強い光を放ち、周囲の人々すべての視力を奪う。
急いで逃げ出す。
しつこく追ってくる騎士達。
「な、なんだあ‼」
「何で死に神なのよ‼」
街の通りをひた走る。
グスク城からの応援部隊が次々とやって来る。
「ヤバい‼増えてる‼」
「逃げきれないよ‼」
右から左から兵士が現れ増えていく。
突然2人は何かに縛られ、地面に吸い込まれた。
白い布の上に落ちる。どうやら下水道らしい。
そこにはある人物が、部下を引き連れて立っていた。
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