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「こんなに早く再会とはねぇ…しかし…ド派手な騒ぎじゃないか。一体何やらかしたんだい。」
「あなたは‼」
ライカだった。
上では兵士達が騒いでいる。
「き…消えたぞ⁉」
「良く捜すんだ‼」
ライカの巧みな鞭捌きと部下の素晴らしい「ふた捌き」のおかげで、2人は消えた様に見えたらしい。2人を受け止めた布は船の帆を加工したものだ。
「さ、こっちだ、急ぐよ。」
「何で僕らを…どうして僕らの事分かったの…。」
「知らなきゃ動けないかい‼グダグダ言うなら置いてくよ‼」
「あ…いえ…。」
黙って着いて行くしか無さそうだ。
下水道を右へ左へ…
かなりの距離を走った。
突然ライカは上を向き止まった。
「出るよ‼」
部下が先頭ではしごを登る。
ふたをノックするとノックが帰る。
「ブラッディ…」
「カース…」
ふたの内と外で合い言葉を交わし、ふたが開いた。
一行が外に出ると、そこには酷い光景が広がっていた。
ゴミの山、強い悪臭、ボロの寄せ集めの住居、明らかに枯れている井戸…。
「あたしの故郷だよ…。」
ライカは目を細めた。
遥か向こう
もやの向こうにぼんやり浮かぶ巨大な影。
ライカの船だ。
「今日はあたしの船に来な。城の牢獄よりましだろ、捕って食いやしないよ。」
しかしロイ達はまだ半信半疑。
「まだティーダを狙ってるの…。」
「剣は諦めたって言ったろ‼海賊に二言は無いよ。」
「それに…もし奪っても、あたしじゃ使い切れないねぇ…闘ってはっきりしたよ。さあ急ぐよ‼見つかっちまう‼」
一行は再び走り出す。
船に着くと、二人は船底の素材庫に案内された。
「うちもそれなりの大所帯でねぇ、部屋はいっぱいなんだ。」
素材庫の奥に進む。
「一番奥が空きだ。そこ使っとくれ。外はあたし等で探っといてやるよ。」
「ライカさん…ありがとう。」
ロイが礼を言うと
ライカは初めて微笑んだ。
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