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少年ロイは、村の近くの遺跡で剣の修行に明け暮れていた…
偉大なパラディンの父をもつロイは、父の教えに忠実に修行に打ち込んでいた…
「早く父さんに追いついて…父さんをさがす‼」
ロイの父は数年前…
「動き出した」という言葉を残し忽然と姿を消したのだった。
ある日ロイは自分を呼ぶ声に気付いた…
「来るのだ…」
声は遺跡から響いて来た。
ロイは声に導かれ遺跡の奥に。
「なんだ…誰だろ…」
慎重に進む…
遺跡の中央、床の六亡星が光り輝いている‼
「こんなの初めてだ‼」
ロイが中心に立ったその瞬間
物凄い勢いで体が何処かへ運ばれて行く。
意識が一瞬遠のく…
どこかに落ちて我に返った。
ふと目をやるとそこに眩く輝くひとふりの剣が…
剣はなんと、ロイに語りかけてくる。
「我を取れ…」
ロイはあっけにとられながら答えた。
「剣が…しゃべった。」
剣は話す…
「動き出した…止めるのだ…」
ロイの脳裏に父がよぎった…
「父さんも同じ事言ってた…関係があるのか…」
「旅立ちの時だ…我を取り、我と共に行のだ…」
「父さんを…知っているのか‼」
「全ては…我と行けば見える…時間が無いのだ…」
ロイは悩んだ。よもや自分が旅に出る事になろうなど考えていなかった。
しかし…
『父さんに会える。』
その思いは、ロイの心を奮い立たせた。
遂に意を決した。
束を握りしめる。
「分かったよ。俺行くよ。父さん…追いつく‼」
「ロイ…よくぞ応えてくれた…行くぞ。」
「うん‼」
ロイは力強く歩き始めた。
同時に…
宿命の歯車が回り始める…
巨大な唸りをあげて…
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