グスクの変

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「さて…始めるよ。」 ライカは状況を確認する。 牢の外には見張りが三人…すぐ側に一人、地上への階段付近に二人。 ライカはブレスレットを外し、外に転がした。 「ちょいと兵隊さん、磨いてたらやっちまった。取ってくれないかい。」 「おいおい、気を付けろ。」 兵士はしぶしぶ拾い ライカに渡そうとした。 その瞬間ライカは拳を兵士に向けた。 指出しグローブの指の付け根の部分から何かが吹き出し、それを浴びた兵士は無言で倒れた。 「いい夢見てな…。」 眠り薬だ。次にライカはグローブの甲からかぎ針を取り出す。 見事に牢を破った。 「走るよ‼」 三人は一斉に飛び出す。あと二人の兵士も瞬時に眠り薬で眠らせる。 「すごーい‼手際良い‼」 サシャは驚く。 ライカは微笑んだ。 地上に出てすぐ目の前に塔がそびえる。 「見事だ…目の前の塔を登るのだ…ただしこの塔には不死の魔物がいる…心してかかるのだ…。」 「分かった。でも丸腰じゃ逃げるしかないかなぁ。」 「不死の魔物か…厄介だね。一筋縄じゃいかないねぇ。」 ライカが舌を打つ。 「わたしの出番ね。魔法は丸腰でも使えるんだからね‼」 「ええ?神聖魔法は防御専門じゃ…。」 「早く行くわよロイ。答えは見せてあげるから。」 三人は塔に飛び込んだ。 螺旋階段が頂上まで続いている。 さっそく骨と化した兵士達が襲いかかる。 サシャは両手を合わせ呪文を詠唱する。 合わせた両手から光が輝くと兵士達は砂と化した。 「ターンアンデット‼不死の魔物を地に返す高等魔法じゃないか‼サシャ、あんたかなりの手練れだね。」 ライカは感心した。 「さ、上を目指しましょ。」 階段を駆け上る。 次々と襲い来る骸骨兵士達をサシャは魔法で倒し続ける。 「サシャ、高度な魔法連発なのに…大丈夫かい。」 ライカが声をかける。 「参ってるように見えるかしら。」 サシャは笑顔を返した。 そして遂に最上階にたどり着いた。 ティーダが待っていた。 「何だお前ら‼」 更に上の見張り台から兵士達が来る。 ロイとライカが武器を取りみねうちで黙らせた。 「ティーダお待たせ‼」 「ライカ…世話になった…サシャ…素晴らしい魔力…流石なり。」 「まだ油断はならないよ‼ベス…待ってな…最後の大仕事だ。」 三人は再び出口を目指す。
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