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ロイとサシャは村人達を弔っていた。1人1人、墓標を立て花を添えた。
「安らかにお眠り下さい」
2人が祈りを終えた時、剣が語り始めた。
「最果てを目指すのだ…黒き塔…」
「ええ‼あの禁断の地‼」
「そうだ…全てはそこから始まった…。」
「詳しく聞かせて‼」
「ロイよ…我はまだ不完全…長くは語れん…お主の成長と共に我も目覚めてゆく…最果てを目指し進むのだ…。」
「待って‼」
剣は再び沈黙した。
その時無数の蹄の音が響いた。この国を収めるバ・ゼ城の騎馬隊だった。
「遅かったか…。」
隊長らしき騎士がつぶやく。騎士はロイ達に目をやると、馬から降り近づいて来た。
「おお‼剣が無事だったとは‼」
「あの…何なんですか…。」
「すまぬ。申し遅れた。私はバ・ゼ城騎士団長ターク。王より村の守備と剣の保護の命を受け馳せ参じた。しかし遅かった…本当にすまぬ。」
タークはそう言うと村人達に祈りを捧げた。
「タークさん、王様は何か知ってるの?剣が僕に最果てを目指せって…いっぺんに色々ありすぎて頭がついて来ません。」
「何と…君は剣に認められし者なのか…よし、君たちを城で保護する。」
タークは部下に命じ2人を馬に乗せ城へ馬を走らせた。
商業国家バ・ゼ…
他国より資源を輸入し製品を輸出する事で成り立つ国…
海に面する平野部には有数の港をもつ城下町、断崖の上に城がある。
「開門‼」
タークが叫び門が開く。そして2人はタークに連れられ城内に…
「しばらくここで休みなさい。」
2人は小綺麗な部屋に通された。
「うわあ‼凄い‼」
サシャは感嘆の声をあげた。
ロイの心中には様々な思考が巡っていた。
父の事、剣の謎、最果て、何かを知る王…
ドアのノック。
「王より面会の許可が降りました。こちらへ」
使いの者に導かれ
王の間へ…
2人の緊張は最高潮に達していた。
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