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「シュドからの報告で儂も全てを知ったのじゃが、今や途絶えてしまっている…消息はわからぬ。」
王は真剣な眼差しをロイに向ける。
「ロイよ…もうお主は自らの大役に気付いておろう。ティーダに認められし者よ…塔の復活を止めるのじゃ。まだ若すぎるお主には荷が重すぎるが、機人と戦えるのは、もはやお主とティーダだけじゃ。行ってくれぬか…ロイ、サシャ。」
ロイの決意は決まっていた。迷いは無かった。
「行きます‼父さんを見つけて、災いの元を断ってきます‼」
「あたしも行きます。」
2人は力強く答えた
「…すまぬロイ、サシャ…すまぬ…。」
王は玉座を立ち、2人を抱き締めた。
「今日は休んで行くが良い。」王は2人を労った。
翌日2人に旅に必要な物が一式贈られた。更にロイには丈夫な胸当てと小手が、サシャには回復の効果を高める錫杖と法衣が与えられた。
再び王に謁見し、別れの挨拶を済ませ、
タークに連れられ城外へ…
門をくぐろうとしたその時だった…
「ロイ殿、サシャ殿、昨日は無礼仕った、シュド様とラーズ様の御子達だったとは‼これはほんのお詫び。受け取って下さい。」
タークはすね当てと指輪を差し出した。
「御2人に神の御加護がありますように。」
「ありがとう‼」
「加護の指輪ですね‼助かります‼」
遂に旅立ちの時を迎えた。
宿命の歯車が周り始める…
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