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恐怖到来。走れ玲二!
世界中では人の死を間近で見るものは少ないだろう。そして人が人の命を奪う瞬間を見てしまう者は極少数ではないだろうか。それが平和と謳われる“日本”ではなおの事だろう。
しかし上記の言葉には多少、違う点が存在する。人ではない“何か”が、人の命を食らう瞬間に立ち会ってしまったのだ。
人ではない“何か”とは言っても容姿はほとんど人間のそれなのだが、だらしなく開いた口から滴り落ちる血。
そこから見せる異様なほど鋭く大きな犬歯。
睨みつけられると凡人はたちまち小便を漏らすであろう紅光りする瞳。
かく言う俺も目の前の非現実的な光景に若干、若干だが小便を漏らしてしまっていると言うのが事実だ。
そう、何の変哲もない凡人なのだから、仕方ないだろう?
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