1.転校生

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※ 「新しいクラスメイトだ」  その日の朝、めずらしく転校生が紹介された。  引っ越し時期にしては中途半端で、1月早々の転校っていうのはどういう事なのか……。 「五十嵐千里です。よろしくお願いします」  無愛想にそう言ってペコリと頭を下げたその生徒。  クラスはやにわにザワめいた。 「おい、何か男にしとくのもったいなくねーか?」 「イケメンっていうより、何…あれ、美形っての?」  こんな声が聞こえる中、千里は担任に言われた通り翔哉の後ろの空いた席に座った。 「よろしく!俺、堤翔哉っていうんだ」  きさくにそう言って、翔哉は笑顔を千里に向ける。 「……よろしく」  愛想の無いのは変わらないまま。翔哉の笑顔にも反応しなかった。
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