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「新しいクラスメイトだ」
その日の朝、めずらしく転校生が紹介された。
引っ越し時期にしては中途半端で、1月早々の転校っていうのはどういう事なのか……。
「五十嵐千里です。よろしくお願いします」
無愛想にそう言ってペコリと頭を下げたその生徒。
クラスはやにわにザワめいた。
「おい、何か男にしとくのもったいなくねーか?」
「イケメンっていうより、何…あれ、美形っての?」
こんな声が聞こえる中、千里は担任に言われた通り翔哉の後ろの空いた席に座った。
「よろしく!俺、堤翔哉っていうんだ」
きさくにそう言って、翔哉は笑顔を千里に向ける。
「……よろしく」
愛想の無いのは変わらないまま。翔哉の笑顔にも反応しなかった。
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