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1月だ。
屋上に日は当たっているものの、相当寒い。
なのに、制服姿のまま千里は屋上のへりに座って煙草を吸っていた。
「ヘビーなの?」
特に喫煙をたしなめる気もなく、翔哉はそう尋ねた。
「いや。何となく落ち着くから。これもいいけど、サイレースも結構いいよ」
「サイレース?」
聞いた事のない名前だ。
「睡眠薬」
どうって事のないぼんやりした眼差しで、千里はフーッと白い煙を口から吐き出した。
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