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「正直な話、もう二度と楽園は元の姿には戻らない事を感じたとき俺も堕天しようと思ったんだ。それを王が止めてな。王は人間だから俺に謝ってきたよ。こうなったのは自分のせいだって。でも、地上を元に戻すには楽園への階段が必要だったって。いつか、地上を復活させたいんだ王は。俺はそれから王に従う事にしたんだよ天界の者としてその考えには賛同できたからさ」
「地上は元に戻るの?ここまで廃頽してしまってるのに」
「王には考えがあるらしい。まだはっきり形にはなってないようだったけど…それにさ、ユチョン」
「何?」
「天使に戻れよ」
「は?」
「そうすれば、楽園で過ごせる。どうせ、地上にある物資は楽園からのものだ同じ事だろ?」
「俺は堕天したんだ、できるわけないだろ?」
「王ならできる。…俺、まだ…」
「やめろよ、俺は聞きたくないよ。王はユノが好きなんだろ?そんなところに俺が戻ってどうなる?それに俺がチャンミンが好きだ。だから、ここにいるんだ」
ふと窓の外を見ると、悪魔が手を振っていた
ユノの腕を振り切って、地上のチャンミンを追った
あの日のことははっきり覚えている
折れた羽根の痛みに耐えながら、地上への階段を降りていく時、やっぱり悪魔が手を振っていた
俺の選択は間違えてなんかないんだ
だって、今
しあわせだ
…待てよ…悪魔が天使の居るところへ顔を出す訳がない
相変わらず手を振っている悪魔の姿
悪魔の狙いは……俺か?
「…ユノ?本当に、ユノなのか?」
急に黙るユノは、コーヒーをすすった後に、にやりとユチョンの見たことの無い笑いをした
「……バレタか」
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