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「神は?神はどうしてるんだ?」
「我関せずさ。王には太刀打ち出来ないからね。下手すればみんな堕天されるんじゃないかな。見なよ、さっきから悪魔がうろうろしてる。スカウトでもするつもりかなぁ。ユノって天使の中じゃ有能だから、悪魔に堕ちたら大変だろうなぁ」
そんな…
ユノが堕天?
そんなの、駄目だ!
ユノが悪魔に?
そんなの、もっと駄目だ!
「さてと、俺は帰ろうかな~」
「ジュンス!!」
「うわぁっ!なんだよいきなり!」
「ユノに会いたい!どうすればいい!」
「堕天した天使は楽園には立ち入れないからなぁ~難しいんじゃない?あ…」
「あ…なんだよ、言ってくれ」
「手紙くらいなら渡してあげるよ」
「本当か!?」
「めんどうだけど、コーヒーのお礼」
ユチョンは家中をバタバタと探し始めた
便箋!便箋!
ペン!ペン!
何を書くか纏まらないまま、筆を走らせる
とにかく、ユノを止めなきゃいけない
字が汚かろうがもうどうでもいい
殴り書きに近い紙を封筒に入れ、ジュンスに手渡した
「はい、確かにお預かりっと」
「頼んだ。本当に渡してくれよ!」
「俺、くどいのも嫌いなんだけど?」
「…ごめん」
「必死だね。分かるよその気持ち」
「へ?」
「なんでもない。ただの独り言。んじゃ、コーヒーご馳走様」
ジュンスという人間が去って、一人不安な箱(家)の中
窓の外はただの雪景色に戻っていた
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