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「最近…」
チャンミンが建設途中の鉄の階段を見つめながら話し出した
「楽園が騒がしいんですよ」
「騒がしいって、どんな風に?」
「ある天使が暴動を起こすと
か、なんとか…ユチョンその事なんじゃないですか?あなたの悩みの種は」
ユチョンは言葉より先に動きが止まって、チャンミンのため息を聞くことになってしまった
「相変わらず分かりやすい人ですね、あなたは。聞いた話だと首謀者がユノだとか…」
ユノを止める事はやっぱり出来なかったんだと落胆する気持ちと、チャンミンに内緒で手紙を送った事を謝罪の気持ちが混合するユチョン
「あ…」
チャンミンの目線の先には前に見た悪魔がやはり手を振ってこちらを見ていた
ユノの噂が聞こえてくるようになってから、やたらとそいつはユチョンの目の前に現れては怪しげな微笑をたたえながら手を振っている
ユノが堕天した時、真っ先にユチョンの所へ駆け込むとでも思っているのか、まるで見張っているかのようだ
「目障りだ…」
ユチョンは睨みつける
だが動じない悪魔
チャンミンに腕を強引に引っ張られなかったら、一言でも二言でも言ってやれるのにと思うユチョン
「ごめんなチャンミン。俺がここに居なかったらあいつらに付きまとわれる事も無いのに…俺が天使じゃなかったら…」
「『元』天使でしょ?今は人間と一緒だ。下手をしたら僕ら人間より辛い立場でしょ?僕の事は心配しなくていいですから、くれぐれも僕が居ない間に悪魔に惑わされないで下さいね」
「わかってるよ。そんな事はぜったいない」
「言い切れますね?」
「しつこいなぁ」
「じゃ、渡してもよさそうですね」
「?」
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