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「ユノ、悪魔達はどう?手ごわい?」
金髪に白い肌青い瞳の美しい青年は玉座にうな垂れるように座っていた
彼は人間だが、今では天界さえも手中に収めた『王』
もうその名を呼ぶものは誰も居ないが、彼には名前があった
名を呼ぶものは彼の元を去って行った
別れ際、「ジェジュン、さよなら」と言い残し
「ジェジュン」 彼の名前はその時から行方をくらまして、いつ戻るのかわからない
「戦況はこちらが圧倒的に有利です。数的には捨て駒(人間)の料が多いこちらの方が勝ってますから」
「そのさ、ですます調の話し方何とかならないのか?俺よりお前の方が確実に年長だぜ」
「私は仕えている身ですから…」
「仕えてるか…人間に仕える天使か、ほんとおもしろいよお前も、堕天したお前の元恋人も」
「ユチョンは関係ないです」
「忘れた?俺のもともとの興味はユチョンだよ?でも、ユノも気に入ったけどね」
「…」
天界を収めた、『王』の戯れ
わざわざ死に掛けている大地を選んだ天使
人間を愛し、天使を捨てた天使
沸いて来る興味は収め所を忘れたらしい
会って、もし気に入れば手元において置きたい
もちろん、目の前にいるユノもそのまま手元において置きたい
ここ(楽園)へ着てから、欲張りになっているのが自分でも分かっていたけれど、止める術を知らない『王』は楽園へ上がった最初の目的を見失っていた
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