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神への冒涜が許されてしまったその街は、天国へ鉄やガラスの階段が次々と伸びてゆく。
建物はどんどん高く高く、天国へと高く高く・・・窓からどんどん空が消えていく・・・代わりに機械仕掛けの郵便配達人が星をポストに配りだした頃、夜の闇が訪れる。
彼は、いとおしい人の為に料理をしていた。
すっかり季節は冬で、無機質なその街にも雪等と言う自然な結晶が降ったりする。
『彼』のお気に入りのシチューを煮込んで、帰りを待つ。
『彼』は高く伸びる階段を作る仕事をしていた。
人が天へと容易に行けてしまう無謀な街。
でも、彼はそれに感謝していた。
なぜか?
それは『彼』に出会えたから。
彼は突如として現れた人間に、恋をした。
天使と人間の禁断の恋。
蛇にそそのかされたアダムの要に、その肌に触れると彼の背にあった羽根はブツリと嫌な音を立てて落ちた。
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