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数少なく生き残った夜光虫が夜の闇を照らし出す
ベットの渚
さざ波に揺られながら愛する人の体温を感じる夜のしじま
素肌と素肌
指と指
唇と唇
重なる度に熱くなる羽根
ほら、また疼く
チャンミンの指は全てを撫ぜる、ビロードのような感触
夢に落ちて行く
夢の中で恋を感じる
夢の中で恋をする
2人は今夢の中
夜光虫の淡い光量では映し出せない色を放って
2人は夢の中
リアルという名の夢の中
感触と幻の狭間を行ったり来たり
かんじて いて
かんじて いて
はだかだから
かんじて いて
かんじて いて
はだかだよ
人間と天使の罪に満ちた恋を忘れて
ただ かんじて
いて
目が覚めると、さりげなくチャンミンの姿が隣にあって
目を覚ます、チャンミンと目が合って二人テレながら笑う
今日もチャンミンは階段を作りに仕事へ向かう
「ユチョンは一人のとき何をしてますか?」
「歌を歌ってるよ」
「歌?ですか?」
「あぁ、楽園ではそれが仕事だった。なかなか癖って抜けないよ」
「そうですか。いつか僕にも聞かせてくださいその調べを」
「うん、いつでも。チャンミンの隣でいつでも」
「はい」
朝日の届かない路地裏のマンションで、駆け巡る元天使の調べ
これもまた誰かのフィルムに焼付けをおこすのだろうか?
今朝も粉雪は灰色の町をさらに色を無くして行く
チャンミンの後ろ姿を見送るユチョンは、冷たい風に微笑んだ
あたらしい朝
でも愛しい人はいつもと同じ姿で去っていく
それがなぜか微笑ませた
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