Erry's mist

再会、なのにすれ違い？

日本に来る前にした国際電話の内容を思い出してみる。

確かに２階って言ったよね……。

「遅いなあ……」

エリイは溜め息を吐いて、テーブルに頬杖をついた。

待ち合わせた時間は、１５分ほど前に過ぎている。

こんなに遅くなるのは珍しい。

自分の時間に結構煩(うるさ)い人だから、エリイを待たせる筈もないのだが。

切れ長の目を思い出して、もう一度ため息を吐いた。

何で？

疑問と不安が沸き上がる。

嫌な想像が、浮かんでは消えた。