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「あの子、名前なんていうんすか?常連さん?」
かき氷のシロップを片手に新人バイト君は興奮気味に尋ねる。
「鈴木舞だよ。ボードに書いてあるぞ。でかでかと、マッキーで。」
ボードというのはサーフボード、マッキーはあの有名な水にも強い筆記具である。
「まじすか。超うけますね。まっさんは狙わないんすか?」
「超うける」割には満面の笑みを浮かべるだけの新人君は、松谷には理解しがたい。
「まさか。苦笑だよ、苦笑。俺、癒し系天然は好きなんだけど、あれはちょいきついわあ…」
「俺、狙ってみよっかなー」
興奮冷めやらぬ新人君に松谷は苦笑で応じるしかなかった。
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