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ここは公園。ブランコと砂場とベンチしかない普通の公園だ。
彼女はこの公園まで毎晩ランニングを欠かかすことなく行っている。それも、自らを鍛えるためと努力を怠らない。
「……………」
しかし、今日はいつもの公園とは少しだけ様子が違っていた。彼女は少し荒くなった呼吸を整え、異様さの原因であるブランコで一人遊ぶ青年に視線を向ける。
静かな公園ではキーコキーコ、と規則的に聞こえるその音だけが鼓膜を刺激する。
「……………ふぅ………」
一度息を吐き、「よし!」と気合いを入れる。そして彼女はブランコへと歩む。
「こ、こんばんはー。こんな時間に公園で一人でブランコとは、まーさか家出でもしたのかな?」
彼女としては精一杯フレンドリーにかつ優しく話しかけたつもりである。だが、ぎこちない笑顔が電灯に照らされ不気味な影を生み出し恐怖しか感じさせない。しかし目の前の少年? は何の反応もせず、ただ彼女を見つめていた。
「にんげん……?」とそんな小さな呟きが聞こえた気がした。
「おい、君無視はよくないと―――」
「うはwwwwwww人間ktkrwwwwwwwマジここ地球かおwwwwwwwぷぎゃーwwwwwwwww」
「え……………」
空気が凍りついた。文字通り凍りついた。
「あらら、ごめんね。さっきの喋り方いつもの癖でさー。それで、よく俺が家出したって分かったね。超能力者かなにかー?」
ブランコから降りて、口を開いたと思ったらキモイ言葉と共にマシンガントーク乱射し始めた。
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