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「完璧」
中学校一年の頃から私のあだ名は完璧。
クラスメイトは皆、完璧さんとか完璧ちゃんと私を呼ぶ、容姿端麗眉目秀麗才色兼備の完璧さん、周りは私を持て囃した。
私は周りの期待に応えるために勉強、スポーツ、料理や裁縫の全てを懸命に学んだ。
それを重荷に感じたことは無い、周りから期待されると言うのは嬉しいこと…少なくとも私はそう思っている。
しかし、完璧というあだ名は好きじゃなかった、私は完璧じゃないしぶっちゃけてしまうと私は…かなりの泣き虫だ、ちょっとした事ですぐ泣いてしまう…。
中学校2年の後半で私が泣き虫だと言うことが周りにバレた、いや別に秘密にはしていなかったけど、それまでは泣くようなことがあまりなかったので泣かなかった、しかし2年になって合唱コンクールのリーダーを任され、リーダーともなると辛いことがたくさんあった、それと比例して泣く回数も自然と増えた…
泣き虫がバレてから、一部の女子からの風当たりが強くなった
「泣けば良いと思いやがって」
「男子の同情をかおうとしている」
等々…でも私は泣かなかった、泣いたら敗けだから、仮にも完璧だと周りから言われている私が敗ける訳にはいかない。
ある時、理科の授業でリトマス試験紙を使った、液を垂らすと色が変わったり変わらなかったりするやつだ、私は…なんでだったかな?その授業中にも泣いたんだ、そして涙がリトマス試験紙に落ちて涙はアルカリ性だと言うことがわかった。
だからなんだと言われても答えられないんだが、その時にふと思ったんだ。
「悪口を言われて私が流した心の涙は、一体何色に変わるんだろう」
って
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