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いよいよ第三試合が始まろうとしている
葉一(アイツ大丈夫なのか?)
他人事ながら緊張する
ファーーン!!
サイレンとともにスタートした
早くも個別ゲートから選手達が走りだし撃ち合いを始めたり隠れ場所を占拠しようとする
しかし花花の姿は見当たらない
ダダダダダダダ!
いきなり体格のいい男がアサルトライフルを二丁持って連射しながらフィールドを歩きまわりだした
銃の保持制限は無い
そのあまりの連射力に他の選手は手が出せず物影に隠れる
試合は完全にこの男のペースだ
「ぎゃっ!」
「ぐあっ!」
『2番、9番アウト』
どうやら二人逃げ遅れたようだ
キンキンキンキン!
男の連射している弾が土管や小屋の鉄製の戸に当たり跳ね返る音がする
そのとき―
シュン!!
一発の弾丸が飛んできて連射男にの額にヒットした
『4番アウト』
連射男は退場していった
選手も観客も皆その弾の出所を探す
小屋の上にいた
SVDを構えてうつぶせに寝転んでいる
SVDとは遠距離からの狙撃を得意とするスナイパーライフルである
よく見るとそれは迷彩柄のポンチョのようなものを着てカモフラージュしようとしている花花であった
だが、白いのトタンの屋根に迷彩では逆に目立ってしまっている
葉一「スナイパーだったのか!」
シュシュン!
「痛っ!!」
花花は次に物影に隠れていたハンドガンを持っていた少年を撃った
『6番アウト』
花花はSVDに弾を補充する
SVDは弾の装填数が少ないのが欠点である
ズズ…
花花(誰か上がって来る!?)
いかにもガンマンといった感じのカウボーイハットを被った男が小屋の上に現れた
カシャカシャッ
花花は素早く弾の装填を終え構える
バッ!
相手もほぼ同時に構えた
ガンマンの銃はM19というリボルバータイプのハンドガンでまさしくガンマンといった感じのものだ
お互いの距離はだいたい10mといったところ
「やめとけ、その銃だとコッチの方が有利だ」
ガンマンが言う
花花は構わず引き金を引いた
シュパン!
花花「!!?」
両方アウトになっていない
「どういう事だ?」
「判定ミスじゃない?」
客席がざわつく
「オレは今、君の撃った弾を撃ち落とした。」
ガンマンが言う
花花「そんなのありえない…」
花花はもう一度撃った
ヒュパンッ!!
やっぱりバックスクリーンには何も映し出されない
「何度やっても同じだ」
ガンマンが言う
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