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その後
負傷者の周りに大勢のヤジウマが群がった
葉一はすぐに一番近いファーストフード店に行った
『マークドナルタス』
ウィーン
自動ドアを開けて店内に入った
葉一「腹減った~」
「お兄さん、あっしがおごりますよ!」
葉一はいきなり後ろから声をかけられて驚いて振り返った
男がピシッと敬礼をして立っている。
葉一「あ!さっき横腹撃たれてた人だw」
とても気の抜けた顔をしたコソドロのような男だ
歳は25~30ぐらいだろうか…
「笑うなんてひどいですよ恩人」
敬礼を解きながら顔を赤くして言う
葉一「お、恩人?」
葉一は戸惑った
「さっきあなたが参戦してくれなかったらあっしゃ今頃蜂の巣です」
葉一「うん、あのさ…いい大人が高校生に敬語使わないでくれる?気つかいます」
「滅相もないあなたは命の恩人、そうだ、お名前は?」
葉一「あぁ、六木葉一。おじさんは?」
「あっしのことはルパンって呼んでください」
葉一「ルパン?泥棒ならもっと和風な方向でしょ!見た目からして空き巣とか・・・ん?ルパン、怪我は!?」
ルパン「もう治りましたよ」
葉一「早くね!!?」
確かに服は血でにじんでいるが先程撃たれた横腹は確かに完治している
葉一「能力か?」
ルパン「ええ、あっしの能力じゃありませんがね。」
葉一「はぁ?」
ルパン「名医ヨハンをご存知ないですか?」
葉一「??」
ルパン「歴史上最高の医者って呼ばれてますよ、どんな外傷でも治せるんです、一瞬でね…いやぁ彼に出会えたのもラッキーでした!!」
葉一「じゃあさっきの戦闘での死者は…」
ルパン「ゼロですよ」
今まで葉一の胸の奥にあったモヤモヤしたようなものがスッと抜けた
葉一(ドラマも馬鹿に出来ないな…)
ぐぎゅるるる~
葉一の腹の虫が騒ぐ
ルパン「あ、ハンバーガー何にします?」
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