護り人

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 茂みの緑から空の青へ。そして太陽の白い光に視線を移す。寺院から出てくる参拝客たちは、眩んだ瞳を戻そうと一様に目をこする。  その内の1人が林の方に目くばせすると、木陰の奥でうごめく人影らしきものをとらえた。 「状況はどうだ? 見つけられたか?」 「ぬかりなく。ゴミが付いている様ですが、問題はないでしよう」  彼らは同じ様な背格好をしていた。  頭からかぶったダブついた黒衣。  首から下がるペンダント。  暖色だけを抜き取った様な白い肌。  生気を感じない声が、不気味だ。 「手はず通りに事を進めろ。私からの風の声を聞き逃すな」  場を仕切る男がそう言うと、残りの3人は軽く頷いた。  うすら笑いが小さな声となって発せられた時、それに反応して止まり木にいた小鳥がさえずる。  黒衣の男が枝に向けて手を伸ばすと、折れる音もたてずに、幹から枝が切り離された。断面は真っ直ぐで、おうとつは見られない。  小鳥は驚いて空高くへと逃げてゆく。 「風はどこまでも追うぞ……」
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