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目の前の扉は閉まったままで、クルストがノブに手をかけようとしないのは、開ける術を持っていなかったからだ。
まるで、カゴの中に捕われた小鳥の様。
「引き受けてくれぬか……?」
「《不死の剣》──私もその血を引く者です。それでも良ければ、その子供に教育を施しましよう」
抑揚なく紡がれた言葉は、平坦で感情が見えない。
クルストにとって、それだけ重い決断なのだろう。
レイサルがこくりと頷くと、目の前の扉が時のしがらみを解く様に、きしみながら開いていった。
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