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涙のせいでスイードの顔を、はっきりと見られなかったのがとても悔しかったけど。
スイードの声が涙に震えていた様な気がして……
──私のために泣いてくれてるんだ──
そんな風に思っていたら、不思議と心が暖かくなったのを覚えてる。
星たちは夜空に包まれて、やがて朝の光の中に見えなくなってゆく。
私とそっくり。
ずっと闇の中に立ち尽くしたままだった私の手を、引いて走るスイードは、私を流れ星にしてくれた。
流れ星はいつか消えて見えなくなる。もう彼に会えなくなるかも知れないって時なのに、私を気遣ってくれるのが、何故か嬉しかった。
流れ星が願いを叶えてくれるものなら、この、何も見えない漆黒の夜の中で、私の願い──言葉を伝えて欲しい──
(本当にありがとう、スイード)
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