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何も言わなくても
何も喋らなくても
涼介と僕は確かに繋がっていた
それが何かはわからないけど
何かで繋がれていたんだ
自分の病室に戻ると
もう夕方になっていて
空が紅く染まっていた
僕の病室の窓からは
桜が見えて綺麗だった
ひらひらと落ちる花びらが
時折窓から部屋に入ってきた
その桜を見ようと
ベッドには入らず窓辺に
寄り窓の格子に手をかけた
「綺麗、……っわ」
僕がその桜に見とれていると
急に背中に温もりを感じた
涼介が僕の腰辺りに腕を
回し僕を抱きしめていた
「涼介…ド「ドアは閉めた
誰も見てないから……」
こんな現場を見られたらまずい
と思った僕はドアに関して
確認しようとすると涼介は
それを察知したかのように
僕の声を遮り答えてくれた
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