喰牙兄様

3/15
前へ
/138ページ
次へ
ある夏の日 (たしか夏だったはず。 その日は特に暑かったしな) 俺は8つ年上の兄貴の家に お邪魔させてもらうことになっていた。 その日は夏休みのちょうど半ばあたりで、 俺は律儀にも夏休みの最初の方に宿題を終わらせ、 やることもなくごろごろしていたところに、 アパート暮らしの兄貴から 「今日家来てなんかやんね? 暇で暇でしょうがねぇんだよ。 どうせ暇なんだろう?我が弟よ。 俺と同じように友達少ないんだし」 と、着信を受け、 僅かながらイラッとした気持ちになったものの、 良い暇つぶしにはなるかな? なんて軽い気持ちで兄貴の家へと向かったのであった。 距離にして約20㌔。 駅まではチャリで、 そこから電車で5本のところ。 なけなしのお小遣いが電車賃に消えたのを見て少し泣き出しそうになったが、 そこはグッと堪え、切符を手に入れる。 電車が来るまで、手持ちのゲームボーイアドバンス (ゲームソフトはロックマンエ○ゼ4レッド○ンだ) をやって時間を稼ぎ電車が来ると、ゲームをしまい乗り込む。 時間的にも微妙なおかげで席はガラガラ。 お金が飛んで行ったしまった悲しみを紛らわせるようにして、座先へ飛び込む様にダイブ。 まあ人もほとんどいないし、大丈夫だろ。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加