喰牙兄様

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なんてこともなく一つの冷たい視線が俺の背中に突き刺さる。 初めの一駅分の距離は気にしないように振る舞っていたが、流石にこれだけの時間 ずっと背中を見つめられ続けていると、悪いことをしている気分になる。 俺は座席から起き上がり、視線のする方へ顔を向けた。 「なんだ、お前か。起き上がって損した」 俺は再び座席に寝転ろがる、が。 「なんだとはなんだこのアホンダラ。キサマの首を紐で吊るして殺したくなるだろうが」 「現在進行形で進めようとしてんじゃねえよ、この鬼畜女。ていうかどこから持ってきたその極太ロープ。日常的に使うもんじゃない上にその長さとなると重いだろ」 「そこは乙女の事情ということでなんとか納得しろこの○○カス男。余計に殺したくなってくるだろう」 「いやいや、いきなり下ネタ使ってくるドドS女に殺されるぐらいなら、俺は自殺を図るね」 10秒間ほど睨み合いが続いたが、だんだんバカらしくなってきたので俺が折れることにした。
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