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「まあいい。で?天下のドドS鬼畜女様はどこに向かわれるご予定なのでしょうか?」
「それこそ私のセリフだね。童貞野郎。どこかの婦女子でも襲いにかかるのか?いや~変態、というか変質者まっしぐらだな」
「むしろこの年齢でそんな強行に走るバカがいたら俺は尊敬するね。質問に答えるが、兄貴の家に行くんだよ。なけなしのお小遣いを犠牲にしてな」
(いま思い出したが、このときの俺の年齢は12歳。つまり小学六年生だ)
「ふむ。それなら私も質問に答えてやるとしよう。実はな、私にもアレが発現したらしい。
その検査をしに行くために、某市の国立病院に行かねばならなくなったのだよ」
「アレってアレか?世間で魔法だの魔術だの異能だの怪異だのって噂の?」
「ああそれであってるよ。どうも私のは例を見ないタイプらしいのでな。
研究材料にしたいっていうのも向こう側にはあるだろうが、私も一人でごちゃごちゃ考えるよりはマシだと思って、親に相談し、結果今日このようにむかっているというわけだ」
「ふーん。まあ妥当な判断だろうな。頑張れよ。いろんな検査を受けるだろうから
覚悟はしておいた方がいいと思うぞ」
「それぐらい言われなくともわかってるわ、このもやし。じゃあ私はこの駅で降りるのでな」
そう言って女、龍導 獅鶴(りゅうどう しづる)は電車内から去って行った。
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