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噂によれば、初めてアレにかかった奴は、同僚に向かってこう言ったらしい。
「こんな能力(ちから)があればこんな事務処理なんて仕事、数分で終わっちゃうんだろうなぁ」
そしてそんなことを言った次の日。
ソイツは本来なら一週間かけてやり抜いていく事務処理の量をたった一時間足らずでやってのけたらしい。
その異常な行動に、その同僚は病院に行くよう勧めるが、ソイツは仕事を止めようとせず、
「新しい仕事をくれ。なんだか今日は調子がいいんだ」
なんてことも言ったらしい。
流石に異常だと思ったのか、その同僚はソイツを仕事場から引っぱりだし、
無理やり近くの病院へ連れて行ったという。
検査をしてみれば、原因は一切不明。
ただわかったのは、ソイツの情報処理能力の異常な上昇、およびそれに準ずるだけの身体能力の上昇がみられたという。
しかし、それに対する反動もないわけではない。
その日休養するように言われたソイツは家に帰り、直ぐに寝たらしいが、
この後3日間どんなにゆすっても全く起きなかったらしい。
その後再び検査が行われ、判明したのが、
あのままあの状態が続いていたら、ソイツは死んでいた。ということだけだ。
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