最終章

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なのは達が艦長室を出たのを確認する 艦長室にはリンディとクロノの2人だけになる リンディ「はあぁ…」 リンディが深いため息をつきながら机に伏せた クロノ「お疲れ様です。 艦長」 リンディ「感情を隠すのは辛いわね。 クロノ」 クロノ「僕は…別に平気です」 それを聞いたリンディは少し笑うと、クロノを手招きした 何だろう?と首を傾げながら、クロノはリンディに近付いた リンディは体を起こすとクロノの両頬を両手で包んだ クロノ「な、何を!?」 リンディはクロノの目を真っ直ぐ見る リンディ「嘘を言いなさい。 昨日の夜、ずっと泣いていたんでしょ」 その言葉にクロノは何も答えない ただ、真っ直ぐリンディの目を見返し、いつもの冷静な口調で答える クロノ「何を言ってるんですか? 僕は…泣いたりしてませんよ」 リンディ「本当に?」 リンディが真っ直ぐに見てくる目 その目を見返していたクロノは思わず、リンディから目を反らした リンディ「目を反らすと言う事は…嘘のようね」 リンディは両手をクロノの両頬から離した クロノ「何で…分かるんですか?」 両頬を擦りながら、クロノはそっぽ向きながらリンディに聞く リンディ「分かるに決まってるじゃない。 私を誰だと思ってるの?」 クロノ「アースラの艦長…ですか?」 リンディ「違うわ。 私は……」 リンディは腕を伸ばすと、クロノを自分の胸に引き寄せた リンディ「貴方の母親よ。 息子の事が分からない母親が居ると思う?」 リンディの胸の中にいるクロノは抵抗せず、そのままでいる リンディ「何でもお見通しよ。 クロノの事…だから、今、どんな気持ちなのかも分かるわ。 クロノ…無理しないで」 その言葉を聞いたクロノの体が震えだす そして……… クロノ「うっ…ああっ!」 小さな嗚咽がリンディの胸から漏れていた
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