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(怪しいことこの上ないな
長州の間者か?
だが、証拠がねぇ しかも真剣ではなく木刀だ…
わざわざ間者が木刀を腰にさげるか?
怪しいです、と自ら言ってるようなもんだ
いやだが…)
土方が思案していると突然襖が開いた
スパーンッとなんともいい音が響きながら
「土方さーん… と お客さんがいたんですか」
突然の登場にも動じず、爽やかに挨拶をする
「はじめまして
宵風といいます」
「私は沖田総司といいます
はじめまして宵風さん」
長い髪を高い位置で結い、色素の薄い茶色がふわりと揺れる
愛想が良く、顔立ちが整っている青年であった
だが沖田の名を聞いた時、宵風は一瞬表情を曇らせた
ほんの僅かな変化に気づいた者はいなかった
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