215人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっ平助!
あそこで茶でも飲んでいかねえか?
そこのねぇちゃんが気さくでよぉー」
「ぱっつぁん昼間から鼻の下伸ばしてんなよ」
多少呆れながら平助と呼ばれた青年は答える。
「いいじゃないか平助
今日は非番なんだからよ。」
足を目的の場所に向けると、店の人であろう人物が黒い子猫に煮干しを与えていた。
「よぅ お春さん
そいつは看板猫か?」
新八がお春と言う女性に話しかけるとくるっ首を向け、軽く会釈した。
「あら永倉さん、いらっしゃいませ。
この子(ネコ)最近この時間帯になると現れるのよ。
ついついエサをあげたくなっちゃう。」
口元を袖で隠しながら、ふふっと笑う。
「幸せもんだなぁおい」
その場にしゃがみこむと人差しを猫に向け
チチチッ-
と口を鳴らした。
が、
子猫は永倉の目を真っ直ぐ見たあと
店の外へ出て行ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!