1.出逢いは旅の醍醐味ってね

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「おっ平助! あそこで茶でも飲んでいかねえか? そこのねぇちゃんが気さくでよぉー」 「ぱっつぁん昼間から鼻の下伸ばしてんなよ」 多少呆れながら平助と呼ばれた青年は答える。 「いいじゃないか平助 今日は非番なんだからよ。」 足を目的の場所に向けると、店の人であろう人物が黒い子猫に煮干しを与えていた。 「よぅ お春さん そいつは看板猫か?」 新八がお春と言う女性に話しかけるとくるっ首を向け、軽く会釈した。 「あら永倉さん、いらっしゃいませ。 この子(ネコ)最近この時間帯になると現れるのよ。 ついついエサをあげたくなっちゃう。」 口元を袖で隠しながら、ふふっと笑う。 「幸せもんだなぁおい」 その場にしゃがみこむと人差しを猫に向け チチチッ- と口を鳴らした。 が、 子猫は永倉の目を真っ直ぐ見たあと 店の外へ出て行ってしまった。
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