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キミはおれに愛を求めてない事は。 ただ自分が快楽に堕ちたかったって事は。 おれはキミに愛を求めてたよ。 おれを本気で愛して欲しかった。 「っふ…く…っ」 次から次へと溢れる涙がほっぺを流れ落ちる 風が吹き涙を冷やす 捨てられたんだ、おれは。 壊れたオモチャは捨てるでしょ? 声を押し殺して泣いていると 「♪~♪」 大きな歌声が聞こえて来た え、何? ひっく、と喉を鳴らしたのを最後にぴたりと涙が止まった どんどんどんどん近づいてくる歌声 夜だぜ? ガサッ 「っうわっ!」 隣に何かが落ちて来た 目を凝らすけど何かは分からない でも黒くてデカい まさか…おっきい野犬!? 逃げたいのに体が硬直して動かない
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