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「ぅ…ひっ…うわぁあぁ!」 知らない男の人にしがみついて子供みたいに大声で泣いた 男の人は困ったように少し手を空中で弄んだ後やわやわと頭を撫でた 冷たい風が吹いていた筈なのに何故か暖かかった ―― ――― ――――― 「っくす…ぅ…」 胸の中の何かが取れゆっくりと男の人から離れる 「…落ち着いた?」 なんで酔っ払いさんに慰められてんだろう 「ぁ…大丈夫です。すいません」 恥ずかしくって思わず俯く 「っくしゅ!」 ぶるりと体が震えくしゃみが出た もう何時間ここに居んだろう そんなおれを見た男の人は少し笑みを零しこう言った 「行くとこないなら俺んとこくる?」
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