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1月の中旬の厳しい風がおれの体を刺すように吹く夜の小川付近 「さみっ…」 はぁ、とため息のような声を漏らせば白い煙となって空へ消えた それを追い空を見上げれば弱く、だけど強く輝く星達と寄り添うように月がおれを照らしている 「きれい…満月」 月をじっくり見たのはいつぶりなんだろう 冷たい草の上に寝転びぼーっと空を見つめた (俺にアンタは必要ない) 綺麗な目が氷のように冷めたキミがそう吐き捨てた (ごめんね遊びだったのに夢中にさせちゃって) ふ、と口の端を釣り上げ笑う (何で…どうして…) 怖くて不安で。 キミは優しい笑顔で言った (アンタはただ欲を充たすだけのオモチャ。) ー…バイバイ 形のいい口がスローモーションのように動きおれにそう言った ゆらりと月が揺らぎ月が何個もあるように見える 「っ…馬鹿」 分かってた。分かってたんだよ。
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