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「アタシ、授業サボれるほど余裕ないですから」
「…お馬鹿なんだ?(笑)」
先輩は余裕を含んだ
笑みを見せながら
こっちを見てきた。
アタシはムッとしながら
たくさん並んである本を眺めた。
「一年だよね?名前は?」
「…はい。本田愛佳ですけど」
アタシはこの人とは
極力絡みたくないという
オーラを出しながら答えた。
「ははっ、そんな怒んないでよ。俺は上村朔、三年だよ。朔先輩って読んでね?」
「や、上村先輩で」
「じゃあ、愛佳ちゃん。また次の部活の時も来なね」
アタシもみんなと
同じように形だけの
部活にして、もう
来ないつもりだった。
「勉強会しよう。図書部改め、愛佳ちゃんお馬鹿脱出部ね」
上村先輩はにこっと
笑ってそう言った。
お馬鹿脱出部…
ネーミングセンスは
最悪だけど、この人
アタシのために
言ってくれてるんだよね。
アタシも勉強を
教えてくれる人が
いるのは素直に嬉しい。
「ま、また来ますから!」
アタシがそうゆうと
少しビックリした顔をして、
すぐに笑顔を見せて
手を振りながら
図書室を出ていった。
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