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「あれ、愛佳ちゃん」
さっき気持ちよく
去っていったはずの
上村先輩が再び現れた。
ああ、職員室に記録書を
出してきたのかな。
「友達待ってんのー?」
「や、はい、まあ……」
「ぷっ。何、その煮えきれない感じの答え」
あははっ、と笑う先輩。
アタシはどう捉えても
馬鹿にされてるとしか
解釈できなかった。
「よいしょっと」
「……何ですか」
帰るのかと思いきや
上村先輩はアタシの隣に
座り込んだ。
「一人じゃ退屈でしょ」
「………」
別に一人でも
ウォークマンがあるから
平気だけど(笑)
話し相手がいる方が
退屈ではないかな。
「…先輩の第一印象、“よく分からない人”です」
「何か、ひっでぇー!俺は“可愛い子”だったんだけど?」
「そ、そりゃ、どうも」
可愛い。
なんて初めて言われたかも。
「あっ、そうだ!アドレス教えてよ」
「え…別にメールすることないんですけど」
「んなこと、言わないでさ~。ね、ね?」
上村先輩はアタシに
ジリジリと詰め寄る。
う、うーん。
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