ep2.融ける(零の軌跡

5/6
前へ
/37ページ
次へ
熱くなるなんて、らしくないのに。 彼女は目を伏せて呟く。 「・・・気付いていないかもしれませんが、最近、変ですよ、ランディさん」 口元が引き攣る。 気付かれていた。どうしよう。隠さなくては。 笑え。笑うんだ。いつもみたいに。そうすれば。 「隠そうとしないで下さい」 一瞬、息が詰まる。呆れたような、少し、怒った声。 「いつまで境界線を引いてるつもりなんですか。 入ろうとすると、ブザーが鳴ってあなたが笑いながらはぐらかして、そっと私を突き放すんです。 ・・・もう、やめて下さい」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加