ep1.流星痕(プシュケ

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別に好きだとか、そういう甘い感情は持ち合わせていない。 ただ、あいつが隣にいて、笑っていてくれるなら。 それだけで、よかったと思えたのに。 絵を一枚描くたびに、サインを入れるたびに、頭が痛くてたまらなくなる。それでも、描かなければ。 描かなければ、その痛みさえ、その姿さえ忘れてしまいそうで。 それが、一番怖いのだ。 吉野、俺はまだ、あんたの姿を探している気がする。 わかりたくないんだ。 手を繋ぐことも、唇を合わせたことも無かったけれど、きっと・・・。
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