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杉野はさっと立ち上がり、深く頭を下げた。
「お待ちしておりました。どうぞこちらにお掛けになってください」
杉野は瀬戸をソファに促すが、瀬戸はひらひらと手を振った。
「用件を伝えたらすぐに帰るから、このままで結構。それに研究中はずっと座っているからね、立ち話ってのも悪くない」
「瀬戸先生お久しぶりです」
渚も瀬戸と向かい合い、頭を下げる。渚が瀬戸と会うのは実に一年ぶりのことだ。
「杉野から君の活躍は聞いているよ。相変わらずおっちょこちょいなことばかりをしているみたいで」
瀬戸は黄色い歯を見せくつくつと笑った。
「お恥ずかしい話です」
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