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「・・・そういうものなのですか・・・」
よくわからない、といった顔で関羽が言う。
どうやら彼女は、武に関してはかなりの腕や知識があるものの、こと魔法に関しては全くの素人らしい。
「まぁそういうこった。
――さて、他に質問は?」
「いえ、特にはありませんね」
「うし。んじゃ今日はこれで――」
終いにしよう。
俺がそう言いかけたその時。
誰かがドアをノックした。
二人は同時に動いた。
ドアの左右に張り付いて、ノブには関羽が手をかける。
「誰だ?」
俺が声をかけた。
しかし返事は帰ってこない。いやな予感がする。
「怪しいな」
関羽が緊張な面もちで言う。
ドアを開けるかどうか迷っていると、急に後ろの窓が開いた。
その窓から黒い影が飛び込んでくる。
関羽が直ぐに動いた。
耳障りな金属音と共に、関羽が攻撃を防いでくれたことがわかる。
「何者だ!?」
「ほぅ。ずいぶんと強いボディガードを雇ったな。――俺の名は――趙雲」
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