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「油断しました」
「動けるか?」
関羽に肩を貸し立ち上がらせるものの、その足取りは重くまともに戦闘をする事はおそらく出来ないだろう。
「ここは引くぞ!趙雲、あんたも死にたく無けりゃとっとと逃げな」
「そうさせてもらうさ」
後は逃げるだけだ。
――と、言っても素直に逃がしてくれるはずもない。
故に呪文を発動させる。
ブラックミスト
「黒霧」
どこからともなく黒い霧が現れ辺りを覆って行く。
「今のうちだ。行くぞ関羽」
「すみません」
「痛むか?」
「大丈夫です。こう見えて私、けっこう頑丈なんです」
あの後、なんとか黄巾族を振り切った俺と関羽は別の宿をとり、関羽の傷の具合を見ていた。
思ったより傷は浅く、これなら俺の回復呪文でもどうにかなりそうであった。
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