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言葉を発した自分の息が、目の前の相手に跳ね返り自分へと戻ってきた。
相手の呼吸も感じすぎる程の距離。
状況を整理するには、いきなりすぎて頭がついていかない。精一杯口に出来たのは相手の名前だけだった。
「ごめん涼…でも、俺っ!」
直翔は涼と自分の額を合わせた。
「…な、なにお前泣きそうな顔してんだよ?ってか…なんで…えっ、なんでお前、俺に…ってか今お前…なに、した?」
真っ白になる頭をなんとか整理して問いかけると、再び直翔は涼へと自分の唇を押しあてた。
「っん!?んーっ!ーっはぁ…んくっ」
何がどうなってこんな状況になっているんだろうか。
自分の上にのし掛かって、自分にキスをしている親友がいる。
角度を変えながら何度も何度も、噛みつくようにしては息を吸う時間すら惜しむかのように。
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